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物語今日で閉館という台北の古い映画館「福和大戯院」。その楽日(最終日)の巨大なスクリーンにはキン・フー(胡金銓)の傑作『血闘竜門の宿』が映し出されている。 しかしここには、別の「映画ファン」たちも出没していた。観客席を包む闇と光と大音量にまぎれて繰り広げられる男たちの怪しい人間模様。それは「神聖なる集い場」と化した男子トイレの中や、薄暗いバックヤードへと舞台を移し、ますます真剣と滑稽の度合いを増し、孤独に打ちひしがれた男の背後には女幽霊まで現れて…(?!)。 最終回の上映が終わり、場内を掃き清める受付係の女。彼女が立ち去った後、もう誰も座ることのない客席を不動のカメラが映し出す。永遠の一瞬。二人はいつものように別々に店じまいをして、いつものように別々に帰途に着く。女の気持ちをついに受け止めることができなかった映写技師の手には、桃饅頭を入れた保温器が下げられている。女は降りしきる雨の中を、ひとり歩いてゆく。 |
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