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解説2003年の初め、リー・カンションは短編映画を撮ろうと脚本を書いていた。同じ頃、ツァイ・ミンリャンは短編「天橋不見了」(THE SKYWALK IS GONE)が成功をおさめ、次回作も短編映画を撮ろうと考えていた。こうして2作品を一緒に上映する短編映画の企画が誕生した。しかし実際撮影が始まると短編映画は2本の長編映画として完成し、別々に公開されたこの2本の映画は、ともにその年の興行収入ベスト3に入る成功を収めた。 長年蔡明亮作品の主演を努めてきたリー・カンションの初監督作品は、現代社会に潜む人間関係の希薄さを、大切なものを失ったときの喪失感や焦燥感とともに力強く描き上げている。孫を見失い公園のなかを半狂乱で捜しまわる祖母の姿をドキュメンタリータッチで追う10分間の緊迫のロングテイク。キャラクターの情況とカメラが追える範囲を役者に説明し、入念な打合せの後、失敗の許されないたった一度きりの撮影は行われた。通りすがりの人たちに撮り直しを要求できないからだ。そして、カメラは回った。崩れ落ちそうな祖母と彼女を心配する人たちを追うこのシーンには張り詰めた緊張感が溢れ、観客が息苦しくなるほどのリアリティを切り取ったものとなった。 2004年のロッテルダム国際映画祭で監督としての才能が高く評価され、グランプリ(タイガーアワード)を受賞したリー・カンション。その後もツァイ・ミンリャンとともにテレビドラマを監督し、その才能を磨いている。 『迷子』の原題「不見」は、同時進行で製作された蔡明亮監督の『楽日』(原題「不散」)と合わせて、友人同士の別れの挨拶のフレーズとして使われている。 |
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