ウォン・カーウァイの映画で常に“演ずること”ではなく“自分自身でいること”を求められてきたトニー・レオンは、“男を愛する男”という役柄への当初の戸惑いを述懐する。

「初日の撮影がレスリーとの激しいラヴシーンだった。アルゼンチンに行くまで、そんな場面があるなんて知らされてなかったんだ。だからものすごいショックだったよ。2、3日立ち直れないくらいね。 しかし今になって思えば、僕の演じた役はかなり複雑なキャラクターで、その役を自分なりに演じきれると判ったのはあのファースト・シーンを演ってのけたからだったような気がするんだ」

この映画でトニー・レオンは愛の歓喜と苦悩と絶望をリアルに演じ切り、カンヌに集まった映画人を圧倒、ウォン・カーウァイをもってして「未知の領域まで踏み込み、それを手にした」と言わしめた。


1962年香港生まれ。18歳の時俳優養成所に入り、子供向けテレビ番組のホストを努める傍ら俳優業を開始する。

86年スタンリー・クァン監督の『地下情』に主演して一躍注目を集め、以降多くの商業映画に主演して人気を博す一方、『欲望の翼』(90)、 『楽園の瑕』(94)、『恋する惑星』(94)といった一連のウォン・カーウァイ作品と『悲情城市』(89)、『シクロ』(95)などの際立った演技で国際的俳優としての評価を確立する。

ウォン・カーウァイ監督の次回作《花様年華》(仮題)への出演も決まっている。




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