カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデューの「夜のめぐり逢い」(88)
で長編デビューを果たしたフランソワ・デュペイロンの新作。撮影が行われた
のは、フランス中西部の息を呑むような美しい自然が息づくセヴェンヌ国立公園。
雄大な大地と空を背景に「自分らしさの発見」という永遠のテーマが活き活きと
描かれている。1999年のサンセバスチャン映画祭では圧倒的な支持を得て見
事にグランプリを受賞。
また映画祭側が本作のために異例の特別賞(OCIC賞)を授与。祖父役のジャック・
デュフィロは最優秀男優賞を受賞。オークルな光で美しい自然を丁寧に汲み上げ
るのは日本人カメラマンのテツオ・ナガタ。心に沁みいる音楽は、大島渚監督の
「マックス・モン・アムール」や「シェルブールの雨傘」など多くの作品を手掛け
ているベテラン、ミシェル・ポルタルと、琴奏者のプライアン・ヤマコシが担当
している。
 
 
南フランスの田舎町。牧畜を営む一家の息子ニコラは、都会へのあこがれもいだき
ながらこのまま農場にとどまるべきか迷っていた。
そんなある日、かつてオペラ歌手であったマリアという女性と出会い車で送ること
になる。一度きりの出会いと知りながら、ニコラは恋に落ちてしまう。一方、膨大
な借金を抱えた家族は次第にはなればなれになっていく。慣れ親しんだものたちが
崩れていくとき、平凡に生きることさえ難しい。どん底を知って初めて本当に大切
なものの存在に気付く。その時彼の心に浮かんだのは、村はずれの山にある古い祖
母の生家だった・・・。
 
 

<STAFF>
監督、脚本 : フランソワ・デュペイロン
製作    : モーリス・ベルナール
撮影    : テツオ・ナガタ
音楽    : ミシェル・ポルタル
    フランソワ・デュペイロン
 
1950年生まれ。1978年から10本あまりの短編作品を撮り、
数々の映画祭で高い評価を得る。「夜のめぐり逢い」('88)で長編デビ
ュー。最新作「将校たちの部屋」では、主演のカラバヴァカ、ルノー、
撮影のナガタを再び迎え、人間の心の回復というテーマを戦時下のフラ
ンスを舞台に描いている。
     


<CAST>
ニコラ    : エリック・カラヴァカ
マリア    : イザベル・ルノー
祖父     : ジャック・デュフィロ・ノエル
父(マルク) : ジャン=ピエール・ダルッサン
    エリック・カラヴァカ
 
1967年生まれ。ニューヨークのアクターズ・スタジオで修行を積み、
舞台の仕事をつづけディアンヌ・ベルトラン監督の長編でスクリーン
デビュー。本作でセザール賞新人男優賞を受賞。
 
 
       
    イザベル・ルノー
 
1966年生まれ。ジャック・ドワイヨン監督の「恋する女」('86)で
スクリーンデビュー。カトリーヌ・ブレイヤ監督の「堕ちていく女」('96)で
女医役。98年カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した
テオ・アンゲロプロス監督の「永遠と一日」('97)に出演。